弁護士の「月と6ペンス」
作中のチャールズ・ストリックランドは,ポール・ゴーギャンをモデルにしています.
ポール・ゴーギャンは,突然,株式仲買人を辞め,妻子を捨て,素人画家からプロの絵描きになりました.貧困と病苦のなか,ポール・セザンヌなどに作品を酷評されながら,『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』などの名作を残しました.
最近,『あなたはいつ結婚するの』が史上最高額の3億ドルで落札されたと報じられました.ポール・セザンヌの『カード遊びをする人々』の2億4000万ドルを超えました.皮肉なものです.
弁護士は基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする職業です.
しかし,基本的人権の擁護と社会正義の実現で事務所経営が成り立つようにするのは大変です.
困っている人を助けたい,正義の味方になりたい,と思って弁護士になった人も,いつしかより収益性の高い仕事を中心にまわすようになる,というのが現実かもしれません.
弁護士大増員時代になり,「6ペンス」の側の問題がクローズアップされていますが,弁護士は「月」を忘れては意味のない職業と思います.
月が綺麗ですね.
谷直樹
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