東京都の検討会 罰則付き禁煙条例の制定提案に至らず
医師らの委員は規制に賛成していましたが,法律系の委員が一部の飲食店などの反対を考慮し,意見が対立していました.
委員は,次のとおりです.
1 青木剛氏 公益財団法人日本オリンピック委員会 副会長兼専務理事
2 安念潤司氏 中央大学大学院法務研究科教授
3 今村聡氏 公益社団法人日本医師会 副会長
4 大井田隆氏 日本大学医学部公衆衛生学分野教授
5 奥村康氏 順天堂大学大学院医学研究科 アトピー疾患研究センター長
6 垣添忠生氏 公益財団法人日本対がん協会 会長
7 工藤翔二氏 公益財団法人結核予防会 理事長
8 鈴木大地氏 順天堂大学スポーツ健康科学部教授
9 名取春彦氏 獨協医科大学付属病院 放射線科医師
10 野田哲生氏 公益財団法人がん研究会 代表理事・常務理事 がん研究所所長
11 細野助博氏 中央大学総合政策学部 大学院公共政策研究科教授
12 村千鶴子氏 東京経済大学現代法学部教授
「愛煙家通信」に「たばこは有害であるという根拠は怪しい」を寄稿している名取春彦氏が委員にはいっていました.愛煙家通信に「「不良」長寿のすすめ」を寄稿している奥村康氏も委員に入っていました.他方,法律系の委員のなかに,たばこ対策に詳しい専門家は入っていませんでした.このような偏った人選が問題でしょう.
受動喫煙防止のため,公共の場,閉鎖空間での喫煙を許すべきではありません.
東京都が何も規制しないというのは,およそあり得ないことですが,東京都が国に規制を預けた形になった以上,国会で受動喫煙防止法を制定すべきでしょう.
今年の禁煙週間のテーマは, 「2020年、スモークフリーの国を目指して ~東京オリンピック・パラリンピックへ向けて~」です.
その趣旨は,次のとおりです.
「たばこが健康に悪影響を与えることは明らかであり、禁煙はがん、循環器病等の生活習慣病を予防する上で重要である。
「健康日本21(第二次)」やがん対策基本計画の目標でもある「未成年者の喫煙をなくす」ためには、喫煙による健康影響を認識させることが重要である。また、「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に基づく第2回締約国会議において、「たばこの煙にさらされることからの保護に関するガイドライン」が採択され、我が国においても、平成22年2月に、基本的な方向性として、公共の場は原則として全面禁煙であるべき等を記した通知を発出し、平成24年度においては、受動喫煙防止対策の徹底について通知を発出したところである。
今年度は、たばこを減らすことで命を守ることを目的として、「2020年、スモークフリーの国を目指して ~東京オリンピック・パラリンピックへ向けて~」を禁煙週間のテーマとし、禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発を積極的に行うものである。」(厚生労働省のサイト)
WHOのサイトには,以下のとおり記載されています.
「Every year, on 31 May, WHO and partners mark World No Tobacco Day (WNTD), highlighting the health risks associated with tobacco use and advocating for effective policies to reduce tobacco consumption.」
(WHOおよびそのパートナーは、毎年5月31日を世界禁煙デーと定め、世界各地において、たばこがもたらす健康リスクを強調するとともに、たばこの消費削減に向けた効果的な政策への提言を行っています。)
谷直樹
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