香川県立白鳥病院の腹腔鏡下胆嚢摘出手術のミス,香川県立中央病院の肺癌見落とし,和解(報道)
「2011年2月、県立白鳥病院で、県内在住の30代女性に腹腔鏡下の胆のう摘出手術を行った際、誤って総胆管の一部を切除し、術後に黄疸(おうだん)の症状が出た。女性は別の病院に転院し、総胆管と小腸とをつなぐ手術を受けた。県は手術ミスを認め、追加の治療費や慰謝料など約406万円を支払うことで女性側と和解した。」
「06年3月、県内在住の50代女性が、間質性肺炎の疑いのため、県立中央病院で受けた胸部CT検査で「異常なし」と診断されたが、07年6月に県立がん検診センターの人間ドックで肺がんが見つかったもの。女性側は中央病院で肺がんの見落としがあったとして、調停を申し立てた。県は解決金150万円を支払うとしている。」
一般に,手術に因って悪しき結果が発生した場合でも,注意しても回避できないものについては過失は問えません.
県立白鳥病院の件について,私は報道の限りでしか知りませんが,腹腔鏡下の胆嚢摘出手術には注意深い操作が求められ,一般に注意深く操作すれば総胆管の一部を切除することは回避できるものと考えられますので,基本的に手術ミス(過失)にあたるものと思います.
私が原告代理人となった東京地裁平成18年4月26日判決(ケースファイル3・140頁)は,肺がんの見落としの生存事案で5年生存率低下による精神的苦痛・不安に対する慰謝料400万円と弁護士費用50万円を認めています.
上記報道の事案でも,肺癌の見落としのため1年3か月の診療の遅れが生じたことになりますので,精神的苦痛・不安は少なくなかったものと思います.記事には書かれていない諸般の事情により150万円での和解となったのではないでしょうか.
谷直樹
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