高知県立あき総合病院と高知県立幡多けんみん病院、何れも薬剤医療過誤で和解(報道)
「県によると、2012年11月から12月にかけて、県立あき総合病院で医師が、退院する患者に長く服用していた薬を処方せず、その情報を患者が通う地域の医療機関にも伝えていなかった。患者はその後高度な障害を発症し死亡した。
また、宿毛市の県立はた県民病院では、去年12月、入院していた患者にアレルギー反応のある抗生物質を誤って投与し、患者はアナフィラキシーショックを発症して死亡した。
県ではあき病院の事故については3500万円、はた県民病院の事故については2600万円のあわせて6100万円の損害賠償金を支払い、和解したという。県は「外部の委員が入る調査委員会を立ち上げるなどし再発防止につとめる」とコメントしている。」
何れも私が担当した事件ではありません.詳細は報道された限度でしかわかりませんが、2件の賠償額の差は、主に仕事の有無、収入等によるものでしょう.2500万円前後は、高齢で逸失利益が年金のみのケースが多いように思います.また、一般的に薬剤が関係する医療過誤は結構多いように思います
なお、私は、現在、抗生物質(抗菌剤)によるアナフィラキシーショック事件を担当しています.
病院内で抗生物質(抗菌剤)によるアナフィラキシーショックが発生し患者が死亡した場合は、医師、病院の賠償責任を認めた裁判例が最高裁平成16年9月7日判決ほか多数あります.
歯科医院でのアナフィラキシーショックでは責任を否定した裁判例(青森地裁平成15年10月16日判決)がありますが、アナフィラキシーショックに無防備な歯科医院に通院したいと思う患者はすくないでしょう.現在では,歯科医院ではアナフィラキシーショックにも対応できる体制を整えているところが増えたように思います.
私が通院している歯科医院では、パルスオキシメーターと血圧計をつけて麻酔をします.待合室には「AEDあります」と書いてあります.近くに消防署も内科医院も有名大学病院もありますし、大丈夫と思いながらも、麻酔のときはどうしても身構えてしまいます.
谷直樹
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