弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

神戸県立尼崎病院,体内の折れたドレーンを主治医が入れ替えたものと思い日直医が放置(報道)

神戸新聞「体内にドレーン放置 尼崎病院、手術で取り除く」(2015年7月29日)は,次のとおり報じました.

 「兵庫県病院局は29日、県立尼崎病院(尼崎市)で5月、80代男性患者の体内に塩化ビニール製のドレーン(管)を放置するミスがあったと発表した。

 同局によると、5月27日、悪性中皮腫を患った男性が緊急入院。翌日にドレーン(長さ35センチ)を胸に挿入し、体内にたまった水を抜く処置を行った。

 31日未明にドレーンが抜けているのを看護師が発見し、主治医に報告。その後、日直医がレントゲンを撮り、折れた一部(同17センチ)が体内に残っているのを見つけたが、主治医が新しく入れ直したものと思い込み放置したという。翌日、主治医が気付いて手術で取り除いた。男性に健康被害はなかったという。」


 医師の思い込みと,医師間の連携の問題が,この事態を招いたように思います.健康被害が生じなかったとはいえ,思い込みによって確認を怠り,医師間の連携がとれないと重大な医療事故が生じる危険がありますので,これを機会に体制の改善がはかられることを期待します.
 
谷直樹


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by medical-law | 2015-08-02 12:34 | 医療事故・医療裁判