弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京高裁平成27年9月9日判決、クリニックの控訴棄却(報道)

スポーツ報知「性病サギ”に弁護士つけず闘う男「人の心の隙につけ込み許せない!」」(2015年9月10日)は、次のとおり報じました.

「性感染症検査の結果を偽って性病にかかったと診断したことで患者から損害賠償裁判を起こされ、約25万円の支払いを命じられた1審の判決内容を不服として、東京・○クリニックの×××院長が控訴した控訴審が9日、東京高裁で開かれ、浜秀樹裁判長は院長側の控訴棄却を命じた。」
「1審から弁護士をつけない「本人訴訟」で裁判を戦ってきた。仕事を抱えながら、同時に裁判に関する慣れない作業をするのは大変だったと思うが「これくらいのことなら自分でできるし、本人訴訟だと相手方が油断する(笑い)。何より、社会悪を自らの手で根絶したいんです」と言い切った。

 これまでの裁判で明らかになったのは、×院長が厚生労働省が感染の判定基準としている検査結果の数値が「0・90」のところを「0・00」と改変している点。こうすると、同クリニックで診察を受けた患者は、ほぼ全員がクラミジア、ヘルペスなどの性病に関して陽性と判断されてしまう“システム”。×院長は「自分の判定基準の方が正しい」と主張し、同様の基準での検査結果を数千人に告知したと法廷で証言している。

 人間の性格として「医師の言うことは間違っていない」という先入観を持つことは多い。しかも、性病となると、他人に相談しにくいもの。「医師には裁量権(専門的知識に基づき、どのような治療をするかを決める権利)があると言いますが、そこにもルールはあるはず。まさに、人の心の隙につけ込んだ行為。許せないですね」と男性は憤る。

 民事訴訟だけでなく、男性は刑事処分を求めて警視庁四谷署に昨年4月に詐欺罪および傷害罪で刑事告訴。現在は捜査が進められているという。また、現在もクリニックが診療を続けているのを問題とし、保健所などが立ち入り検査を行うよう働きかけている。男性は「行政が動けば、(自分たちが)裁判をやらなくてもいいんですから」と一日でも早く行動することを願っていた。」


 この裁判は、被害者が多数で、一人当たりの賠償金額が少額なので、本人訴訟もあると思います.
 民事以外の手続きが進むことを期待します.



谷直樹


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by medical-law | 2015-09-11 01:17 | 医療事故・医療裁判