鶴図下絵和歌巻
俵屋宗達の絵と本阿弥光悦の筆は,奇跡のコラボです.
多数の鶴が,金泥と銀泥で豪華に,シンプルかつ多角的な視点で(飛ぶ鶴をさらに上からの視点から描くなど)描かれています.これを見るだけでも,十分に,俵屋宗達の福と富が感じられます.
群鶴は,山辺赤人の「若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺を指して鶴鳴き渡る」の情景であり,玉津島の神に奉納する趣向です.
その群鶴の上に,本阿弥光悦は,柿本人丸の「ほのゞゝと明石の浦の朝霧に しまかくれ行ふねをしぞ思ふ」から中務の「秋かぜの吹につけても問ぬかな おぎの葉ならばおとはしてまし」まで,36歌仙の和歌を書いています.
書は,読めたほうがよいのでしょうが,文字のリズムを見るだけでも面白いです.
「秋のかたみ」が「秋の涙」になっていたり,、「わするゝ」を「なくさむ」に訂正していたり,誤記,脱字がいくつかあるようですが,気にするほどのことではありません.
target="_blank">京都国立博物館のサイトには拡大図がアップされています.
京都国立博物館平成知新館で,「琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩る」が平成27年10月10日~11月23日まで開かれています.
『鶴図下絵和歌巻』は,上記展覧会の全期間,全巻全長13.56メートルが公開されるとのことです.
谷直樹
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