神戸地裁平成27年11月19日判決,手指間違い手術で賠償命じる(報道)
「三田市民病院(兵庫県三田市けやき台)で健常な右手中指を誤って手術され障害が残ったとして、三田市の男性(68)が市と整形外科医に計約3200万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は19日、医療ミスによる障害と認め、市と医師に計約1130万円の支払いを命じた。
病院側は「リウマチの影響も否定できない」と主張していたが、寺西和史裁判官は「リウマチ症状がある他の指より、右中指の可動域は大きく制限されており、障害は手術によるもの」と退けた。
判決によると、男性は2013年3月、断裂した右手薬指の腱(けん)の修復手術で、中指も切られ動きにくくなる症状が残った。
三田市民病院は「対応を協議中でコメントは差し控えたい」としている。」
これは,私が担当したものではありませんので,上記報道から判断する限り,因果関係が争点で,裁判所は他原因(リウマチ)を否定し,因果関係を認めた判決のようです.
病院側が因果関係を主張して争うことが多くなっているように感じますが,健常な右中指を手術する(伸筋腱を切る)という明らかなミス(作為)があり,その後に右中指の可動域は大きく制限されるという障害が残っているのに,責任を争ったのはいかがなものでしょうか.
医学,医療には分からない部分も多々ありますが,そのため因果関係について科学的な立証ができないからと言って,法的に責任がないということにはなりません.裁判は,一般人が納得する常識的な因果関係認定に基づき,事案について適切な解決を行うことが大事と思います.
谷直樹
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