奈良地判平成28年2月25日、記録の読み違いで胃癌を告知されずに死亡した事案で病院に賠償命令(報道)
「がんの告知ミスで早期治療の機会を奪われ死亡したとして、奈良県橿原市の男性=当時(53)=の遺族らが社会医療法人健生会「土庫病院」(同県大和高田市)などに約1億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、奈良地裁であり、木太伸広裁判長は治療費など計約6200万円の支払いを命じた。
木太裁判長は判決理由で、「ミスがなく適切な治療を受ければ、男性は67歳ごろまで延命できた」と病院側の過失を認めたが、男性が受けた先進治療については「有効性は医学的に裏付けられておらず、必要性は認められない」とし、先進医療の治療費などの請求は退けた。
判決によると男性は平成22年9月、土庫病院での検査で胃がんが判明したが、副院長は胃潰瘍と告知。23年9月に同病院で人間ドックを受けた際に告知ミスが判明し、先進治療も受けたが24年7月に死亡した。」
毎日新聞「<がん告知ミス>「適切なら延命できた」奈良地裁が賠償命令」(2016年2月25日)は、次のとおり報じました.
「10年2月に他の病院で胃潰瘍と診断され、同9月に土庫病院を受診。検査で胃がんと判明したが、医師が2月の検査結果を見て誤って胃潰瘍と告げた。11年9月に告知ミスが判明したが、既に末期がんで12年7月に亡くなった。」
これは、私が担当した裁判ではありません.
せっかく検査で癌を見つけることができたのに、残念なことです.
癌の診断・治療の遅れは、医療法律相談のなかでも少なくない類型です.
こおn類型は、過失が明らかなので裁判前に解決することが多く、判決になるのは少ないです.
その意味で、貴重な判決です.
谷直樹
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