横浜弁護士会,依頼者に性的行為を繰り返した弁護士を業務停止2カ月の懲戒処分
「本日、当会は、平成28年2月18日付懲戒委員会の議決に基づき、当会のA会員に対し、業務停止2月の懲戒処分を言い渡し、同処分は即日効力を生じました。
同会員は、依頼者の女性に対し、多数回にわたって性的行為を繰り返し、依頼者に謝罪して節度ある行為を誓った後にも、同様の行為に及んでおり、女性が受けた心身のショックは大きなものがあります。
同会員に、当初は依頼者を元気づける気持があり、恋愛感情があったとしても、依頼者の心理の機微を慮ることなく、専門的で複雑な手続を必要とする医療訴訟に支障が生じることを案じる心理に乗じ、優越的な立場を利用した行為であるといわざるを得ません。
基本的人権の擁護と社会正義の実現の担い手である弁護士が、その使命に反して依頼者を傷つけたのみならず、依頼者と市民の弁護士に寄せる信頼をも損なったことは、誠に遺憾です。
被害を受けられた女性や市民の皆様に対し、会を代表して、深くお詫び申し上げます。
当会は、本処分を厳粛に受け止め、会員の一人一人が弁護士倫理について改めて自覚し、会と会員をあげて弁護士及び弁護士会に対する市民の皆様の信頼を回復すべく一層の努力をしていく所存です。」
産経新聞「弁護士を業務停止2カ月 依頼女性にわいせつ行為繰り返し「恋愛感情あった」 横浜」(2016年3月14日)は,次のとおり報じました.
「横浜弁護士会は14日、依頼者の女性に性的行為を繰り返したとして、所属するA弁護士(60)を業務停止2カ月の懲戒処分にした。2014年、女性から懲戒請求があった。
同会によると、08年1月から女性の代理人として医療過誤に関する訴訟などに従事。13年11月~14年4月、胸をもんだり下半身を触ったりする性的行為を8回にわたって繰り返した。「恋愛感情があった」と話しているという。
同会の竹森裕子会長は記者会見で「女性が受けた心身のショックは大きなもの。優越的な立場を利用した行為と言わざるを得ず、誠に遺憾だ。深くおわび申し上げる」と述べた。」
過去の同様の事案との均衡もあるのでしょうが,依頼者の人権を踏みにじる悪質な事案は退会命令でよいのではないでしょうか.この弁護士の言い訳は,恋愛感情の意味をまちがっていますし,いい年をして分別もなくこのような行為をするのはいかがなものでしょうか.このような弁護士が,平和・人権・護憲を口にし,真摯に取り組むべき医療訴訟を担当していたことは腹立たしいかぎりです.
ちなみに,第二東京弁護士会は,先日,否認していても退会命令をだしました.
もっとも,2か月の業務停止処分でも,依頼者が離れていきますので,また新規に依頼する人はほとんどいないでしょうから,通常の弁護士業務を続けるのは現実にはきわめて困難でしょう.
懲戒が誕生日の翌日というのは,偶然でしょうか.
定年ではないですが,自主的な廃業を示唆しているとみるのは深読みでしょうか.
谷直樹
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