高松地裁平成28年5月20日判決,手術と経過観察の選択に当たって熟慮して判断できるよう説明する義務の違反330万円の支払いを命じる(報道)
「香川県立中央病院(高松市)で手術を受けた高松市内の女性(67)が、左足にまひが残ったのは担当医師の診察や手術内容に誤りがあり、事前説明も不十分だったなどとして、県を相手取り4462万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、高松地裁であった。
横路朋生裁判長は、医師の説明義務違反を認め、県に慰謝料など330万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2008年、同病院で神経などに腫瘍の疑いがあると診断された。同年12月に腫瘍の摘出手術を受けたが、左足の神経が傷つき、まひが残った。
横路裁判長は、「診断や手術などで医師の判断に過失はなかった」と判断する一方で、事前に行った手術の説明については「運動障害が生じる危険性があり、手術と経過観察の選択に当たって、熟慮して判断できるよう女性に説明したとは認められない」と指摘した。
判決を受け、県病院局は「判決の内容を精査して、今後の対応を検討していきたい」としている。」
これは,私が担当した事件ではありません.
説明義務違反が無ければ手術を受けなかったという因果関係を認定できれば全損害の賠償を認めることができるのですが,その因果関係までは認められなくても,300万円の慰謝料と1割の弁護士費用分が認めた判決です.
その意味で,説明義務違反において,期待権侵害,相当程度の可能性の場合と接近する賠償金額を認めた判決と言えるでしょう.
谷直樹
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