弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

手を出す被告代理人弁護士

医療訴訟は、尋問前に訴訟上の和解が成立することも多いのですが、尋問まで行うこともあります.
当事者尋問(原告本人尋問・被告本人尋問)には、証人尋問の規定が準用されています.
民訴法規則第116条1項は「当事者は、裁判長の許可を得て、文書、図面、写真、模型、装置その他の適当な物件(以下この条において「文書等」という。)を利用して証人に質問することができる。」と定めておりますので、証拠を示して、尋問することが普通です.
反対尋問において、私が被告本人(医師)に、診療録を示し尋問し、被告本人(医師)が答えに窮したところ、被告代理人が手を出し、診療録の一部を指で示しました.
被告代理人は、真面目な若い弁護士なので、被告本人の窮地を見かねて、思わず手が出たのでしょうが、被告代理人が被告本人に答えを教えるなんて、行ってはならないことです.裁判長は、注意し、調書に残す旨述べました.幸い、尋問後に和解が成立し、尋問調書の作成は省略となりましたが.

いろいろな弁護士をみてきましたが、これははじめての経験でした.
その依頼者にとっては救いの手をさしのべる弁護士は頼りになる弁護士なのでしょうが.



谷直樹

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by medical-law | 2016-10-27 01:32 | 医療事故・医療裁判