弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

さいたま市の病院,救急搬送患者に適切な処置を行わなかった事案で約1億3985万円支払和解へ(報道)

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埼玉新聞「後遺症の男性、さいたま市立病院を提訴 1・4億円賠償で和解へ」(2016年11月25日)は,次のとおり報じました.

「低酸素脳症を発症して後遺症が残ったのは適切な処置を怠ったためとして、さいたま市立病院(さいたま市緑区三室)を運営する同市を相手取り東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こしていた元入院患者との和解案に合意し、市が和解金約1億3985万円を支払う議案を提案することが25日、分かった。30日開会の市議会12月定例会に提案する。

 同病院庶務課によると、原告は2009年8月24日に同病院で低酸素脳症を発症した浦和区の30代男性。男性は20代だった同年8月13日に救急搬送されて同病院に入院した。11日後の24日に低酸素脳症を発症。同課は治療の経過や「後遺症が残った」こと以外を公表していないが、原告側は「病院が適切な処置を取らなかった」と主張し、同市に対し約2億3722万円の損害賠償を求め、14年5月に民事提訴していた。

 市側は争っていたが、同地裁が今年8月に提案した和解条項案に今月7日に合意した。市側は過失の有無についての認識を一切示さず、市立病院は「医療行為中に起きたことで、後遺症が残ったことに対し遺憾に思っている」とコメント。今回の和解について、清水勇人市長は25日の定例会見で「誠に遺憾。今後起こらないよう、しっかり対応していきたい」と述べた。」


この報道の件は,私が担当したものではありません.
約1億4000万円を支払っての和解ですから,過失と因果関係が認められる事案です.市は,直裁に過失を認め謝罪すべきと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2016-11-25 23:33 | 医療事故・医療裁判