秋田地判平成28年12月5日、秋田大学医学部付属病院脂肪腫除手術で痛みが残った事案で約806万円支払い命令
「秋田大学医学部付属病院(秋田市)の医師が誤診して脂肪腫の不要な切除手術を行ったため左肩に強い痛みが残ったなどとして、同市の公務員男性(58)が同大に6千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、秋田地裁(斉藤顕裁判長)は5日、同大に約806万円の支払いを命じた。原告側は控訴する方針。同大広報課は「判決文を精査し、判断したい」としている。」
この報道の件は,私が担当したものではありません.
過失が明らかでも、損害と因果関係が争われることがよくあります.
とくに痛み,痺れなどの神経症状の後遺症等級認定は難しいことが多いです.
河北新報「誤診で手術し後遺症 秋田大病院に賠償命令」(2016年12月6日)は、次のとおり報じました.
「秋田大病院(秋田市)で1997年9月、秋田市の男性が左肩の腫瘍を悪性の脂肪肉腫と誤診され、必要のない手術を受けて副神経を損傷し後遺症となったとして、2010年に同病院を設置する秋田大に6000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、秋田地裁(斉藤顕裁判長)は5日、病院側に約800万円の支払いを命じた。
判決によると、病院側が検査結果などから脂肪肉腫の疑いがあると診断したことは相当で、手術自体は違法ではないと認定。その上で、手術当時、副神経の損傷を防ぐ方法が報告されていたのに医師が具体的な措置を講じなかったと指摘し、「病院側に過失がなかったとはいえない」と判断した。
同大の担当者は「判決文を精査した上で対応を検討したい」と話した。」
谷直樹
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