タバコの臭いのする店に入りたいですか?

チェーン店の喫茶店は,基本的に全面禁煙(一部が分煙)になっています.
Unir (ウニール),アフタヌーンティー・ティールーム,パンとエスプレッソと,のように,人気店は禁煙です.
これに対し,個人経営の小さな喫茶店は,面積の関係で分煙が難しいようで,全面禁煙か全面喫煙になっています.
全面禁煙の個人経営の小さな喫茶店は,COBI COFFEE AOYAMA(コビコーヒーアオヤマ)のように,コーヒー,紅茶が美味しく,単価が高くても人気の店が多いように思います.美味しいコーヒー,紅茶に需要があるからでしょう.完全禁煙のNicolai Bergmann Nomu(ニコライバーグマンノム)では,王室御用達の紅茶をいただくことができます.
タバコの臭いのする喫茶店では,サイフォン,ドリップでいれた本来美味しいコーヒー,最良の茶葉を用いた紅茶でも,タバコの臭いがしたら,香りが楽しめず,美味しさが半減してしまいます.
全面喫煙の喫茶店には,美味しいコーヒー,紅茶を求めて来る客よりも,タバコを吸いたくて来る客のほうが多いのかもしれません.全面喫煙の喫茶店は,喫茶店ではなく,有料の喫煙室として対象を喫煙目的の客に特化したほうが実態にあうのかもしれません.
個人経営の小さな喫茶店は,改正法後,(タバコの煙のしみこんだ内装も変えて)クリーンな全面禁煙のお店にして,美味しいコーヒー,紅茶を提供すれば,経営が立ち行かなくなることはないと思います.喫煙者より非喫煙者のほうが多いですし,美味しいコーヒー,紅茶には需要があるので,むしろ,商売繁盛につながるのではないでしょうか.
私は居酒屋に行くことはまずないのですが,検索サイトで,全面禁煙の店を検索するとかなりの数がヒットします.居酒屋が全面禁煙にすると,経営が立ち行かなくなるとは思えません.ワインを飲む人がタバコの臭いのする店を敬遠するのと同様に,本当にお酒を美味しく飲みたい人は禁煙の店を選ぶのではないでしょうか.
日本テレビのニュース番組では,取れたての魚と日本酒が楽しめる東京新橋の居酒屋「日本酒原価酒蔵」は,以前は全席でタバコが吸えたが、2015年のリニューアルオープンを機に全席禁煙にしたところ,「前の業態と比べて、毎月の売り上げが1.5倍に上がりました」「たばこの煙が気にならないというところが、お客様の来店動機になっている」と報じていました.
1980年開店の浅草公会堂裏 ≪禁煙≫ショットバー ブランシュが現在まで続いているのも,経営が成り立っているからでしょう.
健康増進法改正によって小さな喫茶店や居酒屋は経営が立ち行かなくなる,という説は,根拠がないように思います.
ちなみに,京都新聞「飲食店、全面禁煙は47%、喫煙自由が35% 滋賀県初調査」(2017年1月22日)は,次のとおり報じています.
「滋賀県内18市町の飲食店で、全面禁煙を実施している店舗数の割合が47・9%に上ることが、県の初めての調査で分かった。一方、「自由に喫煙できる」とした店舗も35・0%あり、県は「今後、受動喫煙を減らすようにしていきたい」としている。
調査は昨年実施。県保健所に営業を届け出ている料理店や喫茶店、バーなど1053施設から回答を得た。大津市内の飲食店は調査対象外となっている。
「店内を全面禁煙にしている」は504施設、一方で「自由に喫煙できる」としたのは369施設だった。「喫煙室を設置」は37施設、「分煙しても煙の流出がある」としたのは84施設だった。
店の種類別では、レストランや麺類の店舗では全面禁煙が6割超だったが、バーでは9割以上が喫煙自由だった。
禁煙にしていない理由をたずねると「構造上、分煙できない」が46・9%、「利用客に喫煙者が多い」が40・6%と続いた。今後のたばこ対策については「予定がない」が73・8%と最も高く、「全面禁煙にする」は6・4%にとどまった。
自由記述では「店内喫煙を規制する法制化を進めてほしい」「喫煙室設置に補助金を出してほしい」といった声が寄せられた。
国は、飲食店やホテルなどに建物内での原則禁煙を求める健康増進法改正案を、20日召集の通常国会に提出する方針だ。県健康医療課は「今後もアンケートの回収を進め、禁煙・分煙の実態をより正確に把握したい」としている。」
谷直樹
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