第8次医療法改正案~助産所の管理者に対する,妊産婦の異常の対応等に関する説明の義務化

第50回社会保障審議会医療部会(2017 年1月18日)の第8次医療法改正案についての意見のとりまとめに基づき,厚生労働省は今通常国会に改正法案を提出すると報じられています.
とくに注目したいのは,助産所の管理者に対する,妊産婦の異常の対応等に関する説明の義務化です.
資料2によると,現状は,次のとおりです.
「○分べんにおける急変時に助産所から医師・医療機関への連絡がなかったことにより、母児が死亡するケースが発生。
○また、助産師会の調査により、妊婦に対して、妊娠中に起こりうる異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)等の出産リスクに関する事前の説明文書の作成が十分に行われていない現状が明らかとなった。
○例えば、
・妊娠中に起こりうる異常、合併症について文書を作成している助産所が半分程度
・医療機関との連携(転院、搬送の可能性)について文書を作成している助産所が7割弱
となっている。」
そこで制度改正のポイントは,次のとおりです.
「○妊産婦の更なる安全の確保のため、助産所の管理者に対して、妊産婦の異常に対応する医療機関名等について、担当助産師が妊産婦へ書面で説明することを義務付ける。」
助産所での事故を複数取り扱っていますが,本当に妊婦に対して、妊娠中に起こりうる異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)等の出産リスクに関する事前の説明がない現状を痛感します.
谷直樹
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