バイエル薬品,カルテ無断閲覧,接待,論文作成代行,内部告発社員に退職勧奨

血栓症領域製剤の服薬における患者様の嗜好に関するアンケート調査は「同領域製剤の剤型や服薬の回数などについて、実際に製剤を服薬されている患者様への聞き取り調査により、服薬に関する嗜好を確認する目的で行った調査です。その結果は国内の医学誌に掲載されましたが、本調査にご協力をいただきました患者様のカルテの一部をデータ転記のために特定の弊社社員が不適切に閲覧していたこと、本調査の実施主体が弊社であることについて書面上、明確にされていなかったことなどから、2016年1月に医学誌より取り下げられ、同時に取り下げの事実が同誌誌面において公表されております。なお、本調査は嗜好に関するアンケート調査であり、臨床研究ではありません。」
NHK「 バイエル薬品 新薬発売で患者カルテを無断閲覧」(2017年4月11日)は,次のとおり報じました.
「平成24年に脳や肺などの血管が詰まりやすくなる「血栓症」の治療薬「イグザレルト」を発売する際、ほかの製薬会社の薬がどれくらい使われているかを事前に把握するため、複数の社員が宮崎県内の開業医に依頼して、無断で患者のカルテを閲覧していたということです。」
TBS「カルテ無断閲覧させた医師、クラブ・料亭での接待の実態」(2017年4月12日)は,次のとおり報じました.
「接待で築いた関係のもとで得られたカルテのデータを使って何が行われていたのか。これはバイエル薬品の血栓症治療薬「イグザレルト」の広告です。そこには問題の開業医の名前が記されています。広告には開業医の名前で書かれ、医学誌に掲載された論文が使われていました。しかし、実際には、この論文を書いたのは開業医ではなくバイエル薬品側だったというのです。これは、バイエル側が書いたという論文の元原稿。開業医は、赤い文字でわずかに2か所、添削しただけでした。」
「『製薬会社が(調査を)実施して研究の中身の論文も書いて、だけど医師の名前を借りて非常に悪質なケース。製薬企業と医師との不健全な経済的な関係は社会問題化している』(薬害オンブズパースン会議 水口真寿美 弁護士)」
TBS「バイエル薬品“カルテ”無断閲覧、内部告発社員に「退社」勧める」(2017年4月13日)は,次のとおり報じました.
「大手製薬会社「バイエル薬品」が患者に無断でカルテを閲覧していた問題で、社内で内部告発した社員に対し、上司が「会社に法的責任はない」と話したうえで、会社を辞めるよう勧めていたことがわかりました。」
連日報道されているバイエル問題ですが,やってはいけないことばかりです.
バイエルは,医薬品,医療機器業界の法令順法意識調査では17位とされていました.
親会社のバイエルホールディング株式会社の常務執行役員・法務・特許・コンプライアンス本部長は日本人の弁護士ですので,このような実態は意外です.
谷直樹
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