有識者検討会で人工知能(AI)を活用した裁判の可能性を探る!?
メール添付で提出できるようになったり,テレビ電話ですむようになると便利です.記録謄写の手間が省けると助かります.
シンガポールでは,紙の訴状は受け付けず,すべてデジタル処理されていますし,裁判手続きのIT化は世界の趨勢でしょう.
毎日新聞「政府 民事裁判IT化へ検討会 当事者の負担軽減」(2017年10月15日)によれば,「人工知能(AI)など最新のIT技術を活用した裁判の可能性を探る議論も行われるとみられる。」とのことです.
UCLのニコラオス・アレトラス博士らは,AIと欧州人権裁判所の評決の一致率は79%だったと報告しています.
シンプルな事案で裁判官が誰でも同じ判決になる事件については,AIが判決起案を行ってもおそらく同じ結果になるでしょうから,電磁データ化された裁判記録が蓄積されると,将来AIが裁判官にとって代わることもありそうです.
今,将棋の世界では平均的な棋士よりAIのほうが強くなっています.AIに過去の棋譜を入力していた頃は人を超えることはできませんでしたが,発想を変えて勝利の図形出現を覚えさせたことで格段に強くなりました.
人は,有利なときに手堅くと思い慎重になるあまり緩い手を指したり,予想外の手に対し疑心暗鬼になり悪手を指したりします.その点,AIは,感情をもたず,淡々と安定した最善手を指します.
判断が難しい事件ほど,適切にプログラミングされたAIのほうが人より適しているということになるかもしれません.
でも,AIに医療事件の判決を書かれるのは,私は,なんとなくですが,まだ嫌な気がします.
谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
↓

にほんブログ村