弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

『蜘蛛の糸』

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私の家の近くには,芥川龍之介氏が滞在した「旅館東屋」の碑があります.
芥川龍之介氏の『蜘蛛の糸』は,大正7年に,児童向け雑誌『赤い鳥』に掲載されました.

カンダタが
「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に尋いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」
と喚いたとたんに,蜘蛛の糸はぷつりと音を立てて断れました。
「あっと云う間もなく風を切って、独楽のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。」

児童に与える教訓は明白です.この教訓は現代にも通用するでしょう.

「『排除されない』ということはございませんで、排除いたします。取捨というか、絞らせていただきます。」
と言ったとたんに,蜘蛛の糸はぷつりと音を立てて断れました。
「あっと云う間もなく風を切って、独楽のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。」

「無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら萼を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽ももう午に近くなったのでございましょう。」

芥川龍之介氏の全集はなかなか手放せません.


谷直樹

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by medical-law | 2017-11-02 18:44 | 趣味