弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

平塚市民病院,急性大動脈解離の患者に入院2日後の手術を計画し,入院翌日に死亡した事案で和解

毎日新聞「平塚市民病院 死亡患者遺族と和解 5700万円を支払い」(2017年11月23日)は,次のとおり報じました. 

「平塚市民病院で2011年、急性大動脈解離で死亡した20歳代の男性患者の遺族が、緊急手術をする義務を怠ったなどとして同市に約7166万円の損害賠償を求めた訴訟で、同市は22日、遺族に5700万円を支払うとする横浜地裁小田原支部が出した和解案が成立したと発表した。

 同病院によると、男性患者は同年10月18日夜に他の医療機関からの紹介で入院したが、19日午後8時前に死亡した。同病院は入院時、男性患者が急変しないと判断。「準緊急手術」として20日午前に手術する計画をしていた。遺族側は、緊急手術が必要なのに行わなかった「緊急手術義務違反」や、適切な治療ができない場合に他の医療機関に移す「転医義務違反」があったとして14年11月、同支部に損害賠償を求めて提訴していた。

 同病院の担当者は「死亡診断書に急性大動脈解離とあり、裁判所が『急性』を重く判断したと推察している。遺族に説明不足はあったが、病院に過失があったとは認めていない」と話した。金井歳雄病院長は「万全を期してベストの選択をしてきたが、病状説明や診断書記載上の不備も指摘され、総合的に判断して和解を受け入れた」とのコメントを出した。【渡辺明博】」


これは私が担当した事案ではありません.

平塚市民病院の2008年3月の医療事故も手術をせずに鎮痛剤を投与して様子をみていて死亡させたもので,共通性を感じます.
急性大動脈解離は時間経過にしたがい裂け目が広がっていきますので,2日後の手術を計画したことは注意義務違反(過失)にあたると思います.

平塚市民病院は,2013年4月1日に心臓大血管センターを,2017年4月1日に救急救命センターをそれぞれ開設しました.このような事故が起こさないことを願います.

谷直樹

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by medical-law | 2017-11-24 22:08 | 医療事故・医療裁判