山梨県の病院,6月の血液型不適合輸血事故をふまえ再発防止への取り組み公表
これは,私が担当したものではありません.
事故は,「平成29年6月23日に中央病院に救急搬送された患者に対し、大量輸血等の救命処置を実施したが、同日午前8時51分に亡くなったことが確認された。 その後の輸血バッグ点検認証で、輸血処置において不適合輸血があったことが判明した。」というものです.輸血医療事故と死亡との間には因果関係はないとされています.
報告書は,「今回の ABO 血液型不適合輸血事故は、極めて重篤な多発外傷患者の救急治療(心肺蘇生処置)の過程において発生した。輸血直前のダブルチェックが行われていれば不適合輸血を防ぐことが出来たのは言うまでもないが、事故の背景として、輸血製剤の管理・運用システム、コミュニケーション等のチーム医療体制、緊急輸血実施時のローカルルール、緊急治療時のマンパワー等の問題が認められ、これらが複合的に関与したことが事故の要因と考えられた。」とまとめています.
また,中央病院救急科主任医長が文書訓告に,中央病院院長,中央病院救命救急センター統括部長,中央病院救命救急センターセンター長の3名が厳重注意に,それぞれ処されました.
再発防止策は, (1) 緊急輸血の手順の見直し, (2) 緊急輸血に関するマニュアルの整備, (3) 必要な機器の設置, (4) 安全に緊急輸血が実施できる仕組みづくりの4点があげられています.マニュアル,ルールの整備はもちろんですが,医療者が入れ替わる中で常にそれらを遵守させることが大事だと思います.
谷直樹
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