弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京地裁平成19年12月22日判決,マタハラの歯科医院に地位確認し慰謝料200万円を含む約700万円の支払いを命じる

朝日新聞「産休中の歯科衛生士にマタハラ、歯科医院に賠償命令」(2017年12月23日)は,次のとおり報じました.

「育休取得の手続き中に退職させられたとして、歯科衛生士の女性が勤務先の東京都内の歯科医院に対し、地位確認と約800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁であった。若松光晴裁判官は「育休取得などの権利を侵害した」と認め、従業員としての地位を確認し、慰謝料200万円を含む約700万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2015年9月から産休に入り、11月に出産。産休中から育休取得を申請しようとしたが手続きを拒まれ、翌年1月に退職願用紙が自宅に届いた。その後、自己都合退職扱いとされた。

 若松裁判官は「マタハラ根絶の社会的要請も高まっている」と指摘。「妊娠を理由とした降格で慰謝料100万円を認めた裁判例があるが、今回は違法性が強く200万円を要する」と判断した。
 判決は、「理事長の男性が『産休を取る者は賞与を請求しないのが普通』との独自の見解を持っていた」と述べ、そのため女性に不快感を抱き、強引に退職扱いにしたと結論づけた。」


これは私が担当した事件ではありません.
ノーワークノーペイ原則があり,産休期間分は不就労期間であることから,賞与の支給対象期間から控除することも許されますが,それ以前の就労期間の賞与を支給しないのは明らかに違法です.ちなみに,労働契約で賞与を支給しないこともできます.賞与の計算方法も,給与の何か月分と決めるところもありますが,定額にしているところもありますし,評価で決めるところもあるでしょう.産休期間も賞与の評価対象期間とする場合,評価をどうするか,という問題はあります.
判決は,違法性が強いケースであることを理由に200万円の慰謝料を認めましたが,社会的避難が強いマタハラの慰謝料額は今後さらに上昇することが考えられます.
なお,若松光晴判事は,以前渋谷パブリック法律事務所に来ていたことがあります.

谷直樹

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by medical-law | 2017-12-24 09:46 | 司法