弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

《ブロードウェイ・ブギウギ》

今日2月1日は,ピエト・モンドリアン(Piet Mondrian)氏の命日です.
最も有名な代表作は,《赤・青・黄のコンポジション》(1930年,チューリヒ美術館蔵)です
大きな面積を占め,目を奪う赤,その対角に小さな静かな青,そして画面右下にさらに小さな黄色.異なる太さの黒の線で分割されています.
これに対し,例えば,アンリ・マティスの《ジャズ》は青の面積が大きく,黄色があり,赤はほんの一部だけです.これだけ赤の面積が大きい絵画は異例ではないでしょうか.ところが,赤の面積を大きくしながらも,黒の線の異なる太さと下隅を占める青と黄色で均衡がとれています.

京都国立近代美術館は,ピエト・モンドリアン氏の作品《ヘイン河畔の樹》,《コンポジション(プラスとマイナスのための習作)》,《コンポジション No. 1》を所蔵しています.
同美術館蔵の《コンポジション No. 1》は,左側が2分割,右側が3分割のシンプルな作品です 左上に大きな黄色,その対角に青が配置され,赤はありません.抽象の美しさがわかる作品です.

ピエト・モンドリアン氏は,キュービズムの影響を受け,余計なものがないコンポジションに到達しました.コンポジションは,私には,日本の簡素で高貴な茶室のような感じがします.

ピエト・モンドリアン氏は,1940年に戦火を避けてニューヨークに移住しました.人は住む所により大きな影響を受け,作風は変わります.
《ニューヨーク・シティ》,《ブロードウェイ・ブギウギ》は,色数が多くなく,直線で構成されていますが,線に色が使われ,複雑で賑やかな作品となっています.
もちろん,これらの作品は,雑貨があふれかえる部屋のような無秩序なものではありません.
コンポジションが茶室だとすれば,賑やかな楽しい茶室になったような作品です.
この晩年の変化は大変興味深いです.

谷直樹

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by medical-law | 2018-02-01 07:45 | 趣味