弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

医師が少ない日本に世界一病院が多いことの問題

豊田剛一郎メドレー代表取締役医師が,東洋経済に執筆した「医師少ない日本に世界一病院が多いという謎 国民皆保険制度はこのままでは維持できない」(2018年2月16日)を読みました.

「たとえば、脳神経外科において、専門医は日本全体で約7000人登録されています。専門医を取る前の若手脳外科医は1学年300人×5年分として約1500人程度と推定されますので、計8000~9000人程の脳外科医が日本にいることになります。

一方、脳神経外科を標榜している病院は、日本全体で約2500病院存在しています。仮にすべての脳外科医がクリニックではなくて病院で働いているとしても、1病院あたり平均3~4人しかいない計算となります。

現場にいた僕の感覚ではありますが、計3~4人の脳外科医のチームでは、提供できる医療はかなり限られてしまいます。脳外科の手術には最低でも3人ほどの医師は必要ですし、その間の外来や病棟や救急対応を行う医師も必要です。

日本には3人程度の脳外科医チームで踏ん張っている病院が同じエリアに複数存在していることがありますが、このような3つの病院がくっついて、脳外科チームをつくったほうが患者さんのためにも働く側にとってもいいだろう、と思ってしまいます。」


脳外科に限りませんが,医師少ない日本に世界一病院が多いことは,患者の安全,医師の労働環境に不利な状況を作り出しているでしょう.行政が病院医院を規制することは現状では難しいですが,患者が病院医院を選ぶことはできます.脳外科,産科など外科系では,自宅からの距離より,医師スタッフの数で選ばれるようになってくると思います.

谷直樹

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by medical-law | 2018-02-18 23:12 | 医療事故・医療裁判