「波打ち際の二人 A Day on the Spring Beach」(『あなたは、誰かの大切な人』より)
波口喜美は,東京で大手広告代理店を辞めフリーランスの広告ディレクターをしている.
認知症の母は,姫路で一人で暮らしている.
「私だって、いずれひとりになる。頼れる夫も子供もなく、ひとりになって、さびしい思いをするはずなのだ。」と思う.
波口は,姫路と東京の往復に疲れ,限界にきている.
大学時代の同級生長良妙子は,大阪の証券会社の総務課課長で,うず潮に放り込まれたみたいな激務をこなしている.
長良の母は,脳溢血で倒れたが,リハビリの甲斐あって淡路島で元気に暮らしている.
この46歳の独身女性二人は,播磨赤穂にほど近い温泉宿に泊まり,波打ち際を歩く.
「ああ、ほんまにえーえ天気やなあ」
小津安二郎氏の映画の1シーンみたいです.
谷直樹
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