「皿の上の孤独 Barragan´s Solitude 」(『あなたは、誰かの大切な人』より)
それは,元共同経営者の青柳透の 「『生きているうちにこれだけは見ておきたい建築リスト』の筆頭」だから.
野中は乳がんで手術を受け,青柳は緑内障で失明寸前です.
ルイス・バラガンの家は,ユネスコの世界遺産になっています.ワタリウム美術館『ルイス・バラガンの家』(新潮社)等で紹介されています.ネットでルイス・バラガンの家の写真を見ておくと,描写がよく理解できます.
「中庭のある家づくり」参照
ルイス・バラガン氏は生涯独身でした.
「この家の空間は、どこを切り取っても、やわらかく包み込むような孤独の臭いがしていた。」
野中は,壁の皿に「Solediad」(孤独) と書かれているのを見つけます.
「しんとして、味わい深く、さびしく、うつくしい言葉だった。」
この短編では,「孤独」は否定的なものとはされていません.
谷直樹
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