弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

さいたまカンガルーケア訴訟,遺族が敗訴

産経新聞「新生児ケアで男児死亡、両親の請求を棄却 さいたま地裁」(2018年3月16日)は,次のとおり報じました.

 「長男が重度の脳障害を負いその後死亡したのは、新生児を母親に抱かせて母乳を吸わせる「カンガルーケア」で助産師らが観察を怠ったためとして、両親が自治医科大に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、さいたま地裁は15日、請求を棄却した。

 両親側は、助産師が付き添って見守るなど経過観察する義務があったと主張したが、松村徹裁判長はカンガルーケアの危険性について「事故当時、確立した医学的知見はなかった」として、過失を認めなかった。

 判決によると、母親は平成23年5月、自治医科大付属さいたま医療センター(さいたま市)で男児を出産し、授乳した。男児は出産の約1時間40分後に容体が急変。26年12月に死亡した。」


報道の件は,私が担当した事件ではありません.
いわゆるカンガルーケアの危険性については2011(平成23)年5月当時も,指摘されていましたので,この判決はいかがかなものかと思います.
なお,2012年10月17日には, 日本周産期・新生児医学会,日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会,日本小児科学会,日本未熟児新生児学会,日本小児外科学会,日本看護協会,日本助産師会学会が,「「早期母子接触」実施の留意点」を発表しています.遅くとも,それ以降は医療水準となったと考えられます.

谷直樹

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by medical-law | 2018-03-18 23:50 | 医療事故・医療裁判