弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

小松市の病院,慢性副鼻腔炎の手術で右目の側壁を損傷し複視となった患者に1468万円の損害賠償

毎日新聞「医療事故 手術で目を損傷 70代女性に賠償 小松市」(2018年3月24日)は,次のとおり報じました.

「小松市民病院で2016年5月、慢性副鼻腔(びくう)炎の手術を受けた市内の70代女性が目に後遺症を負う医療事故があり、市は過失を認め約1468万円の損害賠償を支払うことを明らかにした。22日の市議会3月定例会で、関連議案2案が可決された。

 病院によると、女性は手術により右目の側壁を損傷するなどして物が二重に見える状態になった。別の病院で治療を受けたが、後遺症が残ったという。

 市は賠償金を全額、保険で賄う。病院は「今後は一層、医療の質の向上と安全な医療の提供を目指し、事故防止に努める」としている。【道岡美波】」

報道の件は,私が担当したものではありません.
手術後に症状がでた場合(時間的密接性)で,手術の箇所と損傷された神経の部位が近い場合(場所的近接性),手術によって神経を損傷したと判断することができます。手術により神経損傷が認定できる場合,過失は事実上の推定が働きます.
医療機関側が医療水準に沿った術式で終始手術手技が行われたことを立証しなければ,過失が認められます.
報道の件は,過失を否定しがたい事案といえるでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2018-03-24 22:49 | 医療事故・医療裁判