弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

ガーゼ置き忘れ事故防止のために

毎日新聞「「ガーゼ置き忘れ」警鐘 千葉大病院・近藤特任助教、論文で事例紹介 手術時ミス「国は防止マニュアルを」」(2018年4月12日)は,次のとおり報じました.

「手術で体内にガーゼを置き忘れる事例が後を絶たない。千葉大医学部付属病院の近藤健特任助教(総合診療)は、置き忘れの具体的な事例を紹介し、警鐘を鳴らす論文を米医学誌に掲載。「手術の前後でガーゼの数を数えるなど、国がマニュアルを作るべきだ」と訴えている。【信田真由美】

「近藤特任助教の論文は今年2月、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された。取り上げたのは、40代の女性が、6年前と9年前に帝王切開手術を受け、どちらかの手術でガーゼを置き忘れられたとみられる事例。女性は腹部の膨張感を感じて病院を受診し、レントゲンを撮ったところ、二つのガーゼが見つかった。開腹手術でガーゼを取り除くと、膨張感は解消したという。

 女性は帝王切開手術を受けた産婦人科の病院に相談に行ったが、病院はミスとは認めなかったという。一般的に、カルテは法定で義務付けられた5年間しか保管されておらず、他に手術を受けていないことを証明することも難しいという。

 近藤特任助教は取材に、「身体的負担に加え、経済的負担をかけることになったのは悲劇だ。医療の治療法などは発展しているが、安全面は進んでおらず、現在の医療システムに警鐘を鳴らしたい」と話している。 」





先行する研究は少なく,この報告は意義が高いと思います.
ただ,枚数を確認するなどのマニュアルを作成することはもちろんですが,そのようなマニュアルがあっても確認がおざなりになっていると事故は起きます.マニュアルを遵守するよう徹底することも同様に必要と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2018-04-16 14:32 | 医療事故・医療裁判