弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

鹿児島市の病院が入院患者の急性心筋梗塞発症を診断しなかった事案で1650万円の判決確定(報道)


毎日新聞「鹿児島市立病院 医療過誤賠償 市が遺族に2355万円支払う」 (2018年5月19日)は,次のとおり報じました. 

「鹿児島市立病院に入院していた女性(当時40歳)が不適切な治療で死亡したとして市に損害賠償を命じた判決の確定を受け、市は16日の市議会で賠償金2355万5000円を遺族に支払ったことを明らかにした。

 2014年10月の1審鹿児島地裁判決によると、女性は2009年9月6日、胸部の痛みを訴えて入院。7日に急性心筋梗塞(こうそく)の可能性を示す異常が見つかったが、医師は8日に退院させた。女性は12日に再入院し、14日に死亡した。

 1審判決は遅くとも7日に急性心筋梗塞の発症を診断し、適切な治療をしていれば助かった可能性が高いとして市に約7169万円の支払いを命じた。

 2審福岡高裁宮崎支部は昨年10月、治療が難しい症例だったことも否定できないとして1650万円の賠償を命じた。双方が上告したが、今年3月に最高裁が退け、2審判決が確定。市は賠償額に遅延損害金を加えた金額を専決処分した。

 市立病院事務局の西村司次長は「判決を重く受け止めると共に、医療事故の防止に最善を尽くしていきたい」とコメントした。【林壮一郎】」


上記報道の件は,私が担当したものではありません.
地裁判決は,義務違反がなければ死亡という結果を回避することができた確率は非常に高い,と判断しました.高裁判決はその判断を維持しませんでしたが,1650万円と比較的高額な判決になっています.相当程度の可能性にも幅がありますので賠償額にも幅があると考えられます.

谷直樹

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by medical-law | 2018-05-24 10:38 | 医療事故・医療裁判