弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

岐阜市民病院が絞扼性腸閉塞の診断遅れの責任を認め,821万円余の賠償と再発防止策公表

岐阜市民病院は,5月23日,平成27年4月の土曜日午前11時に単純CTで術後の腸閉塞と判断し帰宅させ,同日午後8時に緊急搬送され,チューブによる小腸内減圧治療を翌日曜まで継続し,日曜午後3時に単純CTと血液検査の結果で絞扼性腸閉塞と診断し緊急手術を行ったが,既に血流障害による腸管の壊死を起こしていたために小腸の大部分を切除した事案で,診断の遅れがあり,それがなければ小腸の壊死を防げた可能性があったことを認め,821万1048円の賠償を行ったことを公表しました.

また,絞扼性腸閉塞への対応が遅れると致命的な結果を招きかねないことから、早期の確定診断と緊急手術が必要であることを再認識したとのことで,次の.再発防止策を公表しました.
「・臨床所見を過小評価せず、術後患者であっても絞扼性腸閉塞を念頭に置き、それが否定できない場合には、造影CTを行うこととした。
・絞扼性腸閉塞の可能性を念頭に置いた場合は、容態の変化を医療チームが頻繁に観察することを周知徹底した。
・夜間休日であっても、診断確定に必要な検査や処置は積極的に行うこととした。
・夜間休日であっても、他の消化器外科医に意見を求めるなど、複数の視点で総合的に治療方針を検討すこととした。
・救急外来で腸閉塞を疑った場合の検査・診断・治療の手順を作成し周知した。」

この件は私が担当したものではありません.
絞扼性腸閉塞の検査,診断,治療の遅れは,医療過誤としてよく問題になります.私も絞扼性腸閉塞の裁判を取り扱ったことがあります(和解で終了).
上記の再発防止策は,とても重要と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2018-06-03 16:41 | 医療事故・医療裁判