弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

県立静岡がんセンター,血液検査データを確認せず,肝障害に気づかず患者が劇症肝炎で死亡(報道)

共同通信「検査結果見逃し患者死亡 肝障害、静岡がんセンター」(2018年6月14日)は,次のとおり報じました.

「静岡県立静岡がんセンターは14日、県東部に住む60代の男性患者が抗がん剤の副作用で肝機能障害を起こしたのに気付かず治療を続け、症状が悪化し昨年9月に死亡したと発表した。血液検査で出た肝機能の数値異常を見逃していた。

 センターによると、男性は直腸がんと肝転移のステージ4と診断されていた。昨年7月中旬に3週間の抗がん剤服用と1週間の休薬を1サイクルとする1回目の治療を始め、終了時の検査で肝機能障害を示す数値が出ていたが、担当の男性医師が確認しないまま、2回目の治療を始めた。

 男性は2週間後の8月下旬に劇症肝炎のため緊急入院し、10日後の9月上旬に死亡した。直接的な死因は薬剤性肝障害だった。男性が服用していたのは錠剤で、副作用で肝機能障害を引き起こす可能性がある抗がん剤だった。

 遺族とは今年5月に示談が成立。センターは、看護師や薬剤師が検査データを確認するなどとした再発防止策を講じた。記者会見した高橋満病院長は「患者の生命に関わる重大な医療事故。患者と家族の皆さまに多大な心痛をかけ、県民の信頼を損なったことを深くおわび申し上げます」と陳謝した。」


静岡新聞「投薬結果確認せず死亡 60代男性患者、肝障害か」(2018年6月15日)は,次のとおり報じました.

「県立静岡がんセンター(長泉町)は14日、抗がん剤治療を受けていた県東部の60代の男性患者に肝機能障害が発生していたにもかかわらず、血液検査結果の確認をせずに治療を継続し、昨年死亡する医療事故があったと発表した。男性は肝転移のある直腸がんのステージ4で、直接の死因は薬剤性肝障害の可能性が高いという。
同センターによると、男性は昨年7月に新たな抗がん剤治療を開始し、毎週血液検査を受けていた。4週間経過時の検査で肝障害を示す数値が急上昇していたが治療は継続され、その後肝障害の悪化により緊急入院した。一時的に改善傾向にあったが、9月上旬に死亡した。
男性が服用していたのは、肝障害の副作用がある抗がん剤。通常、医師が血液検査のデータを確認してカルテに転記することになっているが、投薬開始から4週間後のデータの一部がカルテに記載されていなかった。担当医は「なぜ確認しなかったのか記憶がない」と話しているという。
同センターは▽外来診療で医師が採血データを印刷して患者に交付する▽薬剤師がチェックシートで確認する-など多職種による再発防止策を講じ、外部の専門家を含む医療事故調査委員会で検証、保健所や医療事故調査・支援センターなどに届け出た。遺族と示談が成立しているという。高橋満病院長は「患者やご遺族に多大な心痛を与え、深くおわびします」と陳謝した。」


報道の件は私が担当したものではありません.
基本的・単純な確認ミスです.
肝機能障害が分かっていれば,劇症肝炎で亡くなることはなかったでしょう.
残念な事案です.


谷直樹

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by medical-law | 2018-06-15 10:06 | 医療事故・医療裁判