弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

苫小牧市立病院,看護師2人が痰の吸引操作を誤り患者死亡(報道)

北海道新聞「医療ミスで70代男性死亡 苫小牧市立病院」(2008年6月18日)は,次のとおり報じました.

「苫小牧市立病院(382床)は18日、6月上旬に看護師2人が脳疾患で入院中の70代男性のたんを吸引する際、器具の取り扱いを誤り、男性が死亡した医療ミスがあったと発表した。

 松岡伸一院長は「100パーセント病院側の過失。このような事態になりおわび申し上げる」と謝罪した。

 同病院によると、男性はたん吸引のため切開したのどの部分にチューブを挿入しており、看護師2人は、チューブから離して使うべき水蒸気吸入器を誤ってチューブに直接、装着した。男性は呼吸ができなくなり、急性呼吸不全で死亡した。」


西日本新聞「医療ミスで70代男性死亡 北海道・苫小牧市立病院」(2018年6月18日)は,次のとおり報じました

 「北海道・苫小牧市立病院は18日、今月上旬に女性看護師2人が脳疾患で入院中の70代男性のたんを吸引する際、機器の使い方を誤り、男性が死亡したと明らかにした。

 病院によると、男性はたん吸引のため、のどを切開して気管にチューブを挿入していた。看護師2人は吸引に先立ち、粘り気の強いたんを軟らかくするため、空気を気管に送り込む吸入を実施。この際、誤ってチューブの吸排気口をふさぐ形で吸入器を装着した。

 2人は2分ほど病室を離れた後、異常音に気付き、医師が救命措置をしたが、男性は約2時間後に死亡した。

 死因は急性呼吸不全とみられる。」


報道の件は私が担当したものではありません.
痰の吸引は看護師にとって手慣れた日常的な業務ですし,看護師が複数いたのにもかかわらず,このような初歩的な器具の取扱ミスが起きてしまったわけです.しかも吸引実施中に2人ともその場を離れてしまった.
初歩手的ミスであることは確かですが,調査を行ってこのようなことが起きた背景事情,潜在的要因について解明することを期待します.

【追記】
朝日新聞「看護師のダブルミス 苫小牧市立病院で医療事故」(2018年6月19日)は,次のとおり報じました.

「北海道苫小牧市は18日、苫小牧市立病院で今月、医療事故があり、70代男性が死亡したと発表した。看護師の医療器具の使い方と現場を離れた二つのミスが重なった事故で、松岡伸一院長は「100%病院側の過失。患者に苦しい思いをさせ、ご家族には悲しい思いをさせて誠に申し訳ない」と陳謝。「再発防止に向けて体制の見直し、教育の徹底をはかりたい」と語った。

 同病院によると、事故は脳疾患の病歴があり、自力ではわずかにしか体を動かせず、気管切開を行っている70代の男性入院患者のたんの吸引に関して起きた。

 患者のたんは粘り気が強く、事前に吸入を行う必要があったが、看護師が吸入器具の使い方を誤り、さらに病室を離れたため、呼吸停止に陥り、救命措置で一度は蘇生したが約2時間後に死亡したという。

 同病院は、患者の呼吸を確保するために装着したチューブの吸排気口から吸入器具の先端を離して使用すべきところを直接装着したため、「排気ができない状態で吸入を続けたことによる急性呼吸不全と考えられる」としている。

 吸入器具の装着は看護師2人で行っていたが、器具の使用に関して経験が浅く、誤装着に気づかず病室を離れ、約2分後に病室からの異音で急行したという。同病院は遺族に謝罪するとともに、苫小牧署に届け出た。同署は業務上過失致死容疑を視野に捜査する方針。」


谷直樹

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by medical-law | 2018-06-19 08:37 | 医療事故・医療裁判