弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大阪拘置所,大阪医療刑務所のがんの見落としで500万円和解(報道)

読売新聞「元受刑者がん見落とし和解…国、遺族に見舞金」(2018年8月10日)は,次のとおり報じました.

「服役中にがんと診断され、出所後に死亡した男性(当時62歳)の遺族が、「拘置所や刑務所の医師が、がんを見落とし、治療が遅れた」などとして、国に計約7300万円の損害賠償を求めた訴訟が、大阪地裁で和解した。国が遺族に見舞金計500万円を支払う。

 和解は7月27日付。和解条項に、国が過失を認める文言は含まれていない。

 訴状などによると、男性は窃盗などの罪で2008年、懲役3年8月の実刑判決を受けた。控訴中の09年1月、大阪拘置所で頭のしびれなどを訴え、大阪医療刑務所でCT検査を受診。左耳に腫瘍が疑われる所見があったが、医師は「異常なし」とした。

 男性は京都刑務所に服役した09年6月以降、約10回、耳の出血で鎮痛剤を処方されるなどし、12年1~3月に受けた再検査で耳のがんと、肺への転移が判明。東京都内の医療刑務所へ移送され、12年8月に出所したが、15年に死亡した。

 訴訟で国側は医師の過失を否定。地裁が今年2月、和解を勧告した。国側は「コメントできない」としている。」


上記報道の件は,私が担当したものではありません.
実際にがんを発見したのは2012年ですが,2009年に耳のがんを発見できていれば,2年余の期間無治療でがんが進行することはなかったので,結果との因果関係は相当程度ある事案ではないでしょうか.
500万円という金額は,見舞金ではなく,過失があることを前提とし,相当程度の因果関係を認めた賠償金と解するのが適切だと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-14 08:24 | 医療事故・医療裁判