弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

滋賀県彦根市立病院,腹腔鏡手術で腸の動脈が切れて大量出血死の事案,約2900万円で示談(報道)

腹腔鏡手術後に男性死亡 滋賀・彦根市立病院(2018.8.27)は次のとおり報じました.

「滋賀県彦根市立病院で平成28年、同市の60代男性が腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた際、腸の動脈が切れて大量出血し、その後死亡していたことが27日、市への取材で分かった。病院側は医療事故と認め、遺族に賠償金約2900万円を支払う方針。

 市によると、男性は健康診断で右の腎臓に腫瘍があると指摘され、28年8月末に入院。同年9月1日、腫瘍を取り除くため腹腔鏡手術を受けている際、腸の動脈が切れて出血し、同3日夜に出血性ショックと多臓器不全で死亡した。

 病院は医療事故調査制度に基づいて原因などを調査。肥満体型だった男性の手術部位周辺にある血管の術前評価や、手術の危険性に関する患者や家族への説明が十分でなかったと結論付けた。

 市は患者の自己決定権を侵害したとして、遺族に損害賠償として約2900万円を支払う内容の議案を9月の市議会に提出する。」


報道の件は私が担当したものではありません.
説明不十分,自己決定権侵害が報じられていますが,医療行為自体にも問題があった事案のように思います.
腹腔鏡手術で動脈切断,大量出血死の事案で,過失がないなどということは考えにくいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-28 08:20 | 医療事故・医療裁判