弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

芦屋市立芦屋病院,嚢胞壁切除手術で誤って肝静脈に穴を開け出血死の事案,4200万円で示談(報道)

神戸新聞「手術中に肝静脈に穴開け大量出血し男性死亡 芦屋市立病院、4200万円賠償」(2018年8月28日)は,次のとおり報じました.

 兵庫県芦屋市は27日、市立芦屋病院(朝日ケ丘町)で昨年7月、肝嚢胞壁の切除手術中に西宮市の男性(76)が死亡したのは医療ミスが原因だったとして、遺族に賠償金約4200万円を支払うことで合意したと発表した。

 芦屋市によると、男性は肝臓に液体がたまる「肝嚢胞」を患い、同病院に通院。嚢胞壁切除手術を受けた際、執刀医が誤って肝静脈に穴を開けてしまい、大量出血のため死亡した。

 同病院は昨年8月、第三者による事故調査委員会を設置。同委員会は「嚢胞壁と肝静脈壁の識別は困難だが、血管かどうかを確認するために、もう少し小さな穴を開けるなどの処置が必要だった」とし、同病院も「慎重さに欠けていた」と医療ミスを認めた。遺族には11月に謝罪した。

 同市は「大切な命を落とす結果になり、申し訳ない。院内で医療安全に関する研修会を開くなど再発防止に努める」としている。


報道の件は私が担当したものではありません.
慎重さを欠く手技は,基本的に慎重に操作する注意義務に違反し,過失にあたると考えられます.どんなに注意深く操作しても傷付けて出血死を起こすことは避けられない,という反論を聞くことがあり,結果責任ではないのだから具体的な過失を主張立証せよと言われることがありますが,手技によって出血死を招来した事案では,手術操作に非愛護的な慎重さに欠ける部分があったと考えられ,基本的に注意義務違反(過失)は否定できないと思います.




谷直樹

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by medical-law | 2018-08-28 08:28 | 医療事故・医療裁判