岡倉覚三『茶の本』
利休が,露地の掃除を徹底的に行った紹安を「ばか者」と叱り,庭におり立ち,一樹を揺すって,庭一面に秋の錦を片々と黄金,紅の木の葉を散りしかせた,という話を紹介しています.
「茶道の要義は『不完全なもの』を崇拝するにある。いわゆる人生というこの不可解なもののうちに、何か可能なものを成就しようとするやさしい企てであるから。」
「真の美はただ『不完全』を心の中に完成する人によってのみ見いだされる。」
法律家は完全を求める職業ですので,日常生活においても「不完全」に対しストレスを感じやすいのですが,『茶の本』は,人生が不可解なものであること,「不完全」を崇拝すること,不完全を心の中で完成することを述べており,このように考えるとすこし楽になります.
谷直樹
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