弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

札幌市の病院,誤嚥後の措置で提訴される(報道)

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北海道新聞「入院16歳、意識回復せず 市立札幌病院 両親が市提訴へ」(2018年10月5日)は次のとおり報じました.
 
「市立札幌病院(関利盛院長、747床)の看護師と医師が適切な処置を怠り、長男(16)に重度の低酸素脳症を負わせたとして、両親=札幌市=らが札幌市などに介護費用や慰謝料計約3億6千万円の賠償を求め、5日にも札幌地裁に提訴することが分かった。原告側によると、長男は現在も意識が回復していない。

 訴状によると、長男は潰瘍性大腸炎を患い、2016年12月22日に市立病院に入院していた。同29日、嘔吐(おうと)物が誤って気管に入る誤嚥(ごえん)によって心拍数と血圧が著しく低下し、約1時間後に呼吸と脈が停止。救命医の処置で蘇生したが、全治不明の低酸素脳症を負った。

 原告側は、薬の副作用治療で対応していた精神科の看護師と医師の2人が長男の急変に気付いたものの、呼吸と脈が停止するまでの約1時間、適切な経過観察や小児科医などに判断を仰ぐなどの注意義務を怠ったことが原因と主張。「病院を運営管理する市の使用者責任は免れない」とする。

 原告側によると、市側は見舞金の支払いと示談を申し出たが、因果関係について否定したため、提訴を決めた。市立病院は「訴状を精査して真摯(しんし)に対応したい」としている。(野口洸)」


報道の件は私が担当したものではありません.
救急蘇生の基本は,心停止の予防と迅速な初期対応です.
誤嚥して心拍数と血圧が著しく低下した後に,約1時間後の心肺停止まで何を行ったかが問題でしょう.



谷直樹

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by medical-law | 2018-10-08 19:52 | 医療事故・医療裁判