中津川市の病院,動脈瘤を伝えず,3年後に動脈瘤の破裂によるくも膜下出血で死亡の事案で訴訟上の和解(報道)
「中津川市は十六日、二〇一四年にくも膜下出血で死亡した県内の女性=当時(87)=について、原因となった脳動脈瘤(りゅう)を中津川市民病院が検査で見つけていながら、かかりつけ医に伝えなかったとして、四百万円の損害賠償を遺族に支払うと発表した。
病院によると、女性は一一年七月に同院で認知症の診断を受け、八月に頭部の断層写真による検査を受けた。担当医は細い血管に動脈瘤があるのを見つけたが、認知症の原因とは直接関係がなく手術が必要な大きさでもなかったとして、かかりつけ医などに伝えなかった。
女性は一四年七月、入所していた高齢者介護施設で全身の脱力と頭痛を訴えて市民病院に入院。三日後、動脈瘤の破裂によるくも膜下出血で亡くなった。昨年四月、遺族は病院側のミスを主張して四千二百万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こし、今年十月に和解が成立した。
安藤秀男院長は「主張の隔たりはあったが、患者さんとご家族の期待に応えきれなかったのは事実」と述べた。再発防止策として、認知症で重要な画像診断をする際、担当医と放射線科診断医のダブルチェックを導入した。(福本雅則)」
かかりつけ医に伝えなかったことが問題にされたようですが,患者家族に伝えなかったことが問題になります.
頭部CT検査実施前に,患者家族に,もし動脈瘤が見つかったときに伝えるか否か予め意思を確認し,患者家族の意思にそった取扱をするのが適切です.
2011年にかかりつけ医に伝えていれば,予防的に対処し,2017年の動脈瘤の破裂がなかったと言えるかは,動脈瘤の大きさ,部位にもよる医学的危険性評価とそれをふまえた患者の判断によるところが大きく,原告・被告間に争いがあったのでしょう.
谷直樹
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