腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアの手術で神経損傷し後遺症が残った事案で700万円示談(報道)
「椎手術のミスで、障害が残った同市の70代女性に慰謝料など賠償金700万円を支払う方針を明らかにした。
市医療局によると、女性は当時60代。16年8月に整形外科に入院し、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症と腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けたが、神経の一部が傷つけられ、排尿が不便になった。
病院側はミスを認め、謝罪。女性は同年11月に退院し、通院治療を続けたが後遺症が残った。18年10月に女性からの申し出を受け、市は顧問弁護士を通じて賠償を協議してきた。」
上記報道は私が担当したものではありません.
一般に医療訴訟では,腰部脊柱管狭窄症,腰椎椎間板ヘルニアの手術による神経損傷であることを立証し,その損傷が不可避の合併症ではなく手技ミスであることを立証する必要もあります.
また,術前から腰部の神経症状がある患者の場合,術後の症状が術前のものとは異なり,原疾患の悪化によるものではなく,手術の際に神経を傷付けたことのによるものであることを立証するがあります.
鹿児島地判平成24年4月11日は,脊柱管狭窄症の除圧手術後の足のしびれ,膀胱機能障害との因果関係を認め約1260万円の支払いを命じました.
他方,横浜地判平成24年8月9日は,開窓部位を取り違えた事案で,取り違えたことの説明気義務違反(顛末報告義務違反)を認めていますが,取り違えたことと腰部不安定,腰部痛との因果関係を認めていません.
事案により,因果関係立証が難易があります.
報道の件は,700万円が支払われたことからすると,過失,因果関係ともに認められる事案なのでしょう.
谷直樹
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