弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

岐阜地裁平成31年4月19日判決,国体優勝の病院管理課職員の過労死で約7100万円の支払いを命じる(報道)

共同通信「国体選手自殺で賠償命令、月100時間超える残業」(2019年4月19日)は次のとおり報じました.

「2012年に開かれた岐阜国体のライフル射撃で優勝した鈴田潤さん(当時26)が自殺したのは、勤務先の病院で長時間の残業をし、精神障害を患ったことが原因として、鈴田さんの両親が病院を運営するJA岐阜厚生連に約9000万円の損害賠償を求めた訴訟で、岐阜地裁は19日、約7100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

訴状などによると、長崎市出身の鈴田さんは10年4月、国体での活躍を期待され厚生連に就職。13年4月から岐阜県瑞浪市の東濃厚生病院で勤務し、同年10~12月には月100時間を超える残業が続いた。

同年12月に「これ以上は耐えられそうにない」「生きてるとつらいだけ」などと記したメールをパソコンに残し行方不明となり、翌月、愛知県内のパーキングエリアに止めた車内で練炭自殺しているのが見つかった。

鈴田さんを巡っては、多治見労働基準監督署が17年9月、自殺は長時間労働が原因として労災認定した。

両親は「心身の健康を損なわないよう配慮する義務を怠り、国体強化選手としての立場も考慮しなかった」と主張、病院側は「長時間労働はあったが、他の職員と比べ度を超えたものではなかった」と反論していた。(共同)」


報道の件は私が担当したものではありません.
過労死は医師だけではありません.
病院側の反論にならない反論が問題の深刻さを示していると思います.

谷直樹

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by medical-law | 2019-04-20 07:44 | 司法