弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

医薬品ゼリーによる大腸穿孔死亡事案で国立病院機構が提訴される(報道)

共同通信「患者遺族、国立病院機構を提訴 名古屋医療センター処置不適切と」(2019年5月30日)は次のとおり報じました.

 「国立病院機構名古屋医療センター(名古屋市)で2015年、肺炎のため入院していた愛知県内の女性=当時(69)=が死亡したのは、医師の不適切な処置が原因として、女性の遺族が約3300万円の損害賠償を国立病院機構に求める訴訟を名古屋地裁に起こしたことが30日、分かった。提訴は7日付。

 訴状によると、女性は14年12月に入院、高カリウム血症の患者に使う医薬品ゼリーの投与を受けた。高度の便秘や下血、大腸潰瘍の症状が出たが、投与は続けられ、15年1月19日、腸に穴が開き、同月27日に死亡した。

 名古屋医療センターは「上部機関と協議して適切に対応する」としている。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
おそらく,アーガメイト20%ゼリーを投与したのでしょう.
アーガメイト20%ゼリーの添付文書には,「腸管穿孔、腸閉塞、大腸潰瘍があらわれることがあるので、高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐、下血等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。」と書かれています.
添付文書違反の投薬行為には過失が推定されます.
国立病院機構は対応が遅いことが多いようですので,そのため2015年死亡の事件が2019年の提訴となったのでしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2019-05-30 19:54 | 医療事故・医療裁判