弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

胆のうがんではなかった手術症例で病院が提訴される(報道)

TV-U YAMAGATA「医療ミスで県を提訴 損害賠償712万円を請求」(2019年11月12日)は次のとおり報じました.

「県立中央病院でがんと誤って診断され、胆のうの摘出など本来必要のない手術をされたとして、東根市の男性が県を相手に、損害賠償などを求めて山形地裁に訴えを起こしたことがわかりました。
訴えを起こしたのは東根市に住む71歳の男性です。
訴状によりますと、男性は2013年に、東根市内の病院の検査で胆のうに腫瘍が見つかり、県立中央病院を紹介され、さらに検査を行った結果、がんの疑いがあると診断され、摘出手術を受けることになりました。しかし、手術中に行われた検査で、腫瘍は良性でがんではないことがわかりました。それにもかかわらず手術が続けられ、男性は胆のうをすべて摘出されたほか、肝臓や胆管、リンパ節、小腸の一部を摘出されました。男性は、手術後にがんではなかったことを聞いたということです。男性はその後、便通異常や著しい体力の低下など、日常生活に支障が出たとして、県に対し、慰謝料や損害賠償およそ712万円を求めています。
これを受け、県の病院事業局は「訴状を受け取ったばかりこれから内容を検討し、裁判ですべてをあきらかにしていきたい」とコメントしています。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
胆のうの腫瘍は,一般に,超音波,CT,MRIで診断します.コレステロールポリープであるかがんであるかを術前に判断するのは困難なこともあり,10mmを超えると手術が検討されます.固有筋層に達していた場合などは,画像診断が難しいことがあります.
報道の件は具体的にどのような画像だったのでしょうか.
また,術中迅速病理診断は,リンパ節郭清などの手術範囲を決めるために役立ちます.

谷直樹

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by medical-law | 2019-11-12 23:56