弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

病院職員“がん検診”結果待たず『異常なし』と通知(報道)

独立行政法人地域医療機能推進機構金沢病院は,令和元年12月20日,そのサイトに次のとおり
「検査結果を確認せずに結果を受診者に通知した法令違反について」を掲載しました.

「検査結果を確認せずに結果を受診者に通知した法令違反について

令和元年5月に当院健康管理センターで実施した「すこやか検診(※)」において、当院職員が検査の結果そのものを確認せずに、3名の受診者に「異常なし」と通知していたことが発覚しました。
当院においてこのような事案が発生し、3名の受診者ご本人はもとより、病院利用者、市民の皆さまに多大なご不安を与えるとともに、金沢市や金沢市医師会に対してご迷惑をおかけしましたことを心より深くお詫び申し上げます。
(※)...金沢市が市民を対象として行う特定健康診査やがん検診の総称で、一部の検診については金沢市医師会が二次読影を行う検診がある。

1.事案の概要
令和元年5月に当院健康管理センターで実施した「すこやか検診」において、当院職員が、金沢市医師会から二次読影結果が送付される前に、検査の結果そのものを確認せずに、3名の受診者に「異常なし」と通知していたことが11月7日(木)に発覚しました。同日、「異常なし」と通知された3名のうち、検査結果そのものが「異常なし」であった方が1名、検査結果そのものが「異常あり」であった方が2名と判明しました。検査結果そのものが「異常あり」であった方2名に対し、直ちに謝罪するとともに、
同月11日(月)に当院で精密検査を行い、その結果、いかなる治療も必要ないと判断いたしました。翌12日(火)には、金沢市と金沢市医師会に対して第一報を入れ、金沢市と金沢市医師会からは、早急に事案の全容を解明するよう指示を受けました。この指示を受けて、今年度実施した「すこやか検診」すべてについて調査を行いました。その結果、受診者の健康被害につながる、検査結果そのものが「異常あり」であった方で「異常なし」と通知された方はいませんでした。

2.再発防止策
今回起きた事案は、文書の取り扱いに関する法令違反が原因であり、今後は職員に対するさらなる法令遵守に取組んで参ります。今後、管理体制を強化するとともに、院内マニュアルの見直しと遵守を徹底し、再発防止に全力を尽くします。

3.職員の処分
同職員を含む関係者の処分については、当機構の手続きに則り、厳正に対処いたします。」



がんではなかったので結果的には損害は生じていませんが,当事者にとっては納得できる話ではないでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2019-12-21 15:10 | 医療