弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

看護師機器の不具合を疑い管が抜けていることに気づかず重大事故に(報道)

NHK「群馬県立小児医療センターで医療ミス 10代男性 脳に重い後遺症」2020年1月23日

去年8月、群馬県渋川市にある県立小児医療センターで入院していた10代の男性患者の呼吸を確保するため気道に入れていた管が抜けていたことに看護師が気付かずに一時、患者が心肺停止になり、脳に重い後遺症が残る医療ミスがあったことが分かりました。
これは23日、群馬県立小児医療センターが会見を開いて明らかにしました。

それによりますと、去年8月、入院していた10代の男性患者の血中の酸素濃度や脈拍を測る医療機器のデータが異常を示したということです。

その際、対応に当たった看護師は機器の故障だと思い込んで、呼吸を確保するため患者の首から気道に入れられていた管が抜けて呼吸が止まっていたことに気付かず、患者は一時、心肺停止の状態になったということです。

センターによりますと、患者は心肺蘇生によって一命は取り留めましたが、意識が戻らずに脳に重い障害が残ったということです。

センターでは、患者の家族にミスを認めて謝罪したということで、損害賠償を行うための協議を進めているということです。

県立小児医療センターの外松学院長は会見で「重篤な後遺症が残ってしまった患者やその家族につらい思いをさせてしまったことを深くおわび申し上げます」と述べて陳謝するとともに、看護師向けのマニュアルを見直すなど再発防止策をとる考えを明らかにしました。」


時事通信「医療事故で10代患者昏睡状態 県立小児病院で―群馬」(2020年01月23日)は次のとおり報じました.

「群馬県は23日、県立小児医療センター(渋川市)に入院している10代男性患者に装着していた呼吸を確保する管が外れ、低酸素脳症となる医療事故があったと発表した。男性は後遺症による昏睡(こんすい)状態が続いているという。
 同県によると、事故は昨年8月に発生。男性は県内在住で、難病のチャージ症候群を患い、喉に管を通す処置を受け入院していた。
 事故当日は午前4時半ごろ、脈拍と血液中の酸素濃度を測る機器の表示がないことに看護師が気付いた。不具合を疑い、機器を交換するなどして対応したが、同5時半ごろに管が外れているのを確認。男性は心肺停止状態で、蘇生処置を受けたが自発呼吸はなく、低酸素脳症による後遺症が残った。


報道の件は私が担当したものではありません.
看護師が機器の不具合を疑って適切な対応をとらなかったという事故が時々起きます.
再発防止策としてマニュアル改訂のみなららず,それは実行されるよう体制を整えることを期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2020-01-24 03:50 | 医療事故・医療裁判