弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

画像診断報告書見落とし事故の再発防止

朝日新聞「診断結果、「既読」チェックでミス防げ 岩手の県立病院」(2020年1月25日)は次のとおり報じました.

「岩手県医療局は、診断結果の見落としを防ぐため、全ての県立病院で導入されている情報集約システムを改修する。担当医が検査結果を閲覧したかどうか、他者が確認できるようにする。県内では県立二戸病院の医師が検査結果の確認を怠り、患者が死亡しており、再発防止にも生かしていく。

 医事企画課によると、改修後は担当医がCT検査や病理診断の結果などを画面上で閲覧した後、確認済みの処理をする。放射線科医らは検査結果が「既読」になったかどうか、確認できるようになる。中央病院が先行導入しており、改修は年度内に終わる見込み。6月ごろには全ての県立病院で運用を始める予定だ。費用は今年度予算から約2千万円が当てられる。

 二戸病院では医師がCT検査の報告書の確認を怠るなどして腎細胞がんを見落とし、60代の男性が死亡した。この問題以前からチェック体制を強化してほしいとの要望が各病院から寄せられていたといい、医事企画課の佐藤浩システム担当課長は「システム改修でミスを完全に防げるわけではないが、可能性を少しでも減らせるよう仕組み作りに努める」と話した。(御船紗子)」


「既読ボタン」を全県立病院の電子カルテにつけることは評価できますが,それだけで医療ミスを防げるわけではありません.
二戸病院医療事故の遺族が希望する次の2点も必要ではないでしょうか.
(1) 画像読影医が緊急度の高い所見を指摘した場合、報告書を検査依頼医が所属する診療科の責任者に送付するとともに、直接検査依頼医に電話し所見を伝える。
(2) 主治医など説明を担当する医師は、患者が希望しない場合を除き、原則として画像診断報告書を患者に渡し、その結果を丁寧にわかりやすく患者に説明し、その旨を診療録に記載する。


谷直樹

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by medical-law | 2020-01-25 21:22 | 医療事故・医療裁判