弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

長崎地裁令和2年1月31日判決,医師に無罪判決(報道)

NHK「詐欺ほう助の罪 医師に無罪判決」(2020年1月31日)は次のとおり報じました. 

「交通事故にあった男が重い障害が残ったように装い、保険金などあわせておよそ2000万円をだまし取った事件で、偽の診断書を作ったとして詐欺ほう助の罪に問われている医師の裁判で、長崎地方裁判所は、男の偽りの症状を信じ診断した病状をそのまま診断書にした可能性は排除できないなどとして無罪を言い渡しました。

無罪を言い渡されたのは佐世保市早岐の医師、平川信幸さん(70)です。

平川医師は9年前に佐世保市で交通事故にあった男が重い障害が残ったように装い、保険金などあわせておよそ2000万円をだまし取るなどした事件で、男と共謀して一生、介護が必要だという偽の診断書を作ったとして詐欺ほう助の罪に問われています。

これまでの裁判で、平川医師は診断通りの結果を記しただけだとして無罪を主張し、男のうそに気づいたうえで、診断書を作っていたかどうかが争点になっていました。

31日の判決で長崎地方裁判所の堀田佐紀裁判官は、平川医師と同じ時期に男を診断した別の2人の医師も同じような診断をしていたことから平川医師が男の偽りの症状を信じ診断した病状をそのまま診断書にした可能性は排除できないなどとして無罪を言い渡しました。

判決について平川医師は「言われもない汚名を着せられ、医師として苦しい日々でしたが裁判所が事件と真摯に向き合い、正しい判決となったことに安堵しています」と弁護士を通じてコメントしています。

一方、検察は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントしています。」


報道の件は私が担当したものではありません.
診断書は,患者の主訴をもとに作成されるものですので,医師が詐病を見抜くのはとても難しいと思います.
無罪となって本当によかったと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2020-02-02 00:19 | 司法