弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

7回受診してPCR検査を受けられなかった広島市の男性の例

3月7日現在で,感染者は57人増えて1114人ですから,死亡12人と退院311人を引いた791人が入院していることになります.

NHK[広島県で初の感染確認 広島市の30代男性 7回受診したのに…」(2020年3月7日)は次のとおり報じました.
広島市によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは広島市に住む30代の自営業の男性です。
市によりますと、男性は先月上旬からせきの症状を訴え、15日から今月4日にかけて3つの医療機関を7回にわたって受診しましたが症状が改善せず、5日、4つめの医療機関を受診したところ新型コロナウイルスに感染している疑いがあるとして、6日遺伝子検査を行った結果、感染が確認されたということです。」


PCR検査指示がでるまで医療機関を受診する気持ちは分かります.
症状では風邪と区別がつかず,CT検査でも初期は分からず,悪化するときは急速という新型コロナウイルス感染症ですから,37.5度の熱が4日続かなくても,肺炎の疑いがある症状が続くと,じっと自宅療養を続けるのは実際には気持ちの上で難しいでしょう.37.5度の熱が4日続かないと肺炎の疑いがあっても,PCR検査を行わず自宅療養という今のシステムに問題がありそうです.

新型コロナウイルス感染症は指定感染症に指定されていますので,PCR検査を行って陽性となれば,法律の定めにより,軽症でも入院を勧告し、全国約 400 の指定医療機関へ入院させねばなりません.
入院患者を増やしたくないため,PCR検査を行わないとすれば,このように診断が遅れ,感染拡大のリスクを高めることになります.
指定感染症に指定した以上,PCR検査をすみやかに行う必要があります.
そもそも「軽症者は自宅療養という方針」と「指定感染症の指定」は整合しません.軽症者は自宅療養という方針を徹底するなら,指定感染症に指定した令和2年1月28日の厚労省通知は誤りだったことになると思います.(肺炎の疑いがある患者を軽症者と扱ってよいのか,という問題もあります.)

なお,専門家会議は,クラスターを抑えきれず流行が広がった場合,感染者数や重症化患者数、死亡者数を推計し,どのような医療体制が必要になるか検討しているとのことです.

谷直樹

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by medical-law | 2020-03-07 14:44 | 医療