弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大学病院,検査対象としていた部位以外の腸の悪性腫瘍について情報共有が図られず4年間放置(報道)


山形新聞「山形大病院、患者腫瘍を4年放置 検査結果、共有されず」(2020年03月12日)は次のとおり報じました.

「山形大医学部付属病院(根本建二院長)は11日、入院患者に対する内視鏡検査で見つかった腫瘍について、4年間にわたり検査結果を知らせず、腫瘍が増大する医療事故があったと発表した。腫瘍は進行がんになるなど影響があったとしている。同病院は患者や家族に謝罪し、患者は別の病院での治療を続けているという。

 根本院長、佐藤慎哉医療安全管理部長(副院長)らが山形市の同学部で記者会見し経緯などを説明した。

 病院の説明によると、2015年9月に腸の炎症で入院していた患者に対して内視鏡検査を行った際、検査対象としていた部位以外の腸で1センチと5ミリの二つのポリープが見つかった。組織検査の結果、悪性腫瘍と分かった。検査担当の医師は腫瘍について電子カルテに記載したが、検査を依頼した主治医はカルテの記載を十分に確認していなかった。その後も情報共有が図られず、患者への説明や治療は行われなかった。

 この患者が19年8月に他の疾患で検査入院した際、画像診断で増大した腫瘍が見られ、4年前の検査結果が放置されていたことが発覚。院内の医療事故防止対策委員会で、調査を進めてきた。原因について検査結果の情報共有が不十分で、患者への説明や治療に関する責任の所在が不明確だったと結論づけた。

 同病院は患者の居住地や年齢、性別、腫瘍が見つかった具体的な部位などに関して、患者の同意を得られなかったとして公表できないとしている。会見で根本院長は「起きてはならない医療過誤が起きてしまった。非常に大きな責任を感じている」と頭を下げた。 」


報道の件は私が担当したものではありません.
この類型の事故は,情報共有の体制が整っていない病院ではどこでも起き得ることです.
すべての病院でこの類型の事故が起きないように体制を整備していただきたいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2020-03-13 05:49