弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

最高裁第3小法廷令和2年3月24日決定,警察に司法解剖写真の提出義務を認める

毎日新聞「司法解剖の写真 民事裁判でも使用可 「捜査当局に提出義務」 最高裁決定」(2020年3月26日)は次のとおり報じました.

「病院での転倒死を巡って死因が争われている民事訴訟の原告が、捜査当局が持っている司法解剖の写真の提出を裁判所に求めた申し立てで、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は24日付の決定で、捜査当局に提出義務があるとする初判断を示した。

民事訴訟の当事者は、訴訟の相手方や第三者に、保有している文書を裁判の証拠として提出するよう求めることができ、裁判所は必要と認めれば提出命令を出す。刑事事件の資料は提出命令の対象外とされているが、今回の判断で、司法解剖の資料を民事訴訟の証拠として活用する道が開かれた。

原告は病院で死亡した男性の遺族。看護師のミスで転倒死したとして病院に賠償を求める訴訟を起こした。警察が業務上過失致死事件として捜査し、裁判所の令状に基づいて司法解剖を実施しており、遺族は警察に司法解剖の写真を証拠として提出するよう、裁判所に申し立てた。

小法廷は、遺族には男性の遺体が不当に傷つけられないという法的利益があるとし、司法解剖の経過や結果が記録された写真は、遺族と警察との間で利益侵害があったかどうかを明らかにする法律関係の文書に当たると指摘。提出命令の対象になるとした。裁判官5人全員一致の意見。【服部陽】」


従来,捜査の必要性を理由に刑事事件の資料提出を拒まれ,遺族が提起した民事事件の立証が阻まれることがありました.
最高裁は,司法解剖の経過や結果が記録された写真について,民訴法第220条3号の 「文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき」の後段にあたると判断したものです.

谷直樹

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by medical-law | 2020-03-26 22:48 | 司法